きっかけ
夏にMTBで一緒に本沢温泉に行ったお客様から、「冬も行ってみたら良さそうだね」というコメントを頂いておりました。
「いかにもおっしゃるとおり」と思っておりながら、これまでなかなか都合が付かず行っておりませんでした。
なんせ我が家に1台しかない車を、丸1日占有してしまうことになるので、それが何よりのネックでした。しかしただ今、
妻と子供達が都合で妻の実家に行っているので(そのため「夕食ご提供不可」となっているわけです)、
車を好き放題使えるチャンスということで、昨日行ってきちゃいました。
アクセス
冬はR299が通行止めなので、佐久の方とR141をぐるっと回ってアクセスする必要があります。スキーシューとフリーベンチャー
(テレマークバージョン)を車に積んで出発し、約1時間半強のドライブです。松原湖入口でR141を離れ、
稲子湯へ向かう細く除雪状況の心細い道を上って行き稲子湯の少し上の「ミドリ池入口」の登山口に駐車しました。
出発がもたついてしまったので、家を出たのが9時近くになり、現地に着いて出発の準備が全て整ったときには11時近くになってしまいました。
賢明なる皆さんはもっと余裕を持って行動なさってくださいませ。
登り
まずスキーシューで登りはじめましたが、
多くの登山者に踏みしめられたルートはやはりスキーシューの登坂力をちょっと越えており、道を外れて登ることも出来そうにないので、
全面シールを貼ったフリーベンチャーに切り替えるため一度引き返します。

しかしその後は、良く踏みしめられたルートで迷う要素もないので、
順調にカラマツの林の中を登っていきました。しらびそ小屋に着く前が最も斜面の急なところですが、コースが九十九折りになっているので、
難なく登っていけました。
しらびそ小屋からしばらくはかなり緩やかですが、
本沢温泉へのメインルートに合流する手前で尾根を超えるためにまた登りと、続いて少々の下りがあります。
ここの下りで意外と下りが楽でないことに気付きました。密なシラビソの林はルートから外れることが難しいし、良く踏みしめられた雪の上は、
シールを貼ったままでも良く滑るので、減速することが容易でないのです。
それでも構わず進みます。メインルートに入ってからは、緩やかな登りになります。所々、
小さな沢を渡らなければならないところがあります。上の3つめの写真のように小さな橋の架かったところもありますが、
橋の無いところもあります。そんなときはジャンプ一発で超えるか、雪を崩して低いところに貯めてから渡りました。シールを濡らしてしまうと、
雪の離れが悪くなるので、濡らさないケアが必要です。
いよいよお風呂



程なく「本沢温泉キャンプ場」の看板のある当たりを過ぎ、本沢温泉の母屋に着きました。「すみませ〜ん」・
・・「こんにちわ〜」。しばらく声も何も聞こえません。しかししつこく繰り返すうち、屋根の上のほうからミシミシと音が聞こえてきました。
アルバイトとおぼしきお嬢さんが降りてきました。どうやら屋根の雪下ろし中だったようです。聞けば雪下ろしはもちろん、通路の雪かきまで、
全て人力でなさっているそうです。ご苦労様です。ここで入湯料\600を払って、さらに奥にある露天風呂へと登って行きます。
5分ほど登り、最後に尾根の向こうへ抜けると、上の2枚目の写真のような景色が開けます。
夏に何度も見た景色ですが、今回は特別です。柔らかそうな雪の上に小動物(よく分からない。ウサギではない)の足跡が付き、
向こうには硫黄岳と青い空、そして眼下には誰もいない露天風呂。この全てを¥600で手に入れてしまった感動は、
筆舌に尽くしがたいものがありました。
入浴しながらポットのお湯でカップラーメンを作って食べ、下山中に酔いが覚める計算でビールを飲めば、
もう最高すぎます。
下り
そうこうしているうちにすっかり良い時間になってしまったので、
下りはのんびりせずに行く必要があります。露天風呂から去りがたい気持ちを持ちつつも、さっさと服を着て出発です。
雪下ろし中の宿のおじさんにも滑りながら「ありがとうございました。最高でした!」とちょっと無礼にお礼を言いながら先を急ぐと、
程なく左手の斜面でガサガサ音が聞こえました。黒いケモノの影がすぐ目の前に見えたので、取りあえずストックで身構えます。
その正体はカモシカでした。カモシカは私に対してある程度の距離を確保すると、じっとこちらを見ていました。「よしよしいい子だ」
とか言いながら、私もすかさず首から提げている携帯のカメラを向けましたが、アングルが悪い。
もっと低くなるために雪の上に倒れ込むと、カモシカはその音でまた走り始めてしまいました。「待って、待ってぇ〜」と叫ぶと、
尾根まで上がったところで本当に待ってくれました。私もそれからザックの中のメインカメラを取り出し、
上の写真を撮ることが出来ました。
そのあとはとにかく先を急ぎます。しらびそ小屋までは急な下りはないのでスムーズにハイペースで行きます。
しかし問題はそのあと。
本来なら下りはシールを剥がすのが基本ですが、狭くて良く締まったこのルートでは、恐ろしくてシールが剥がせませんでした。
単独行でもあるので、ケガをするようなことは何としても避けなければなりませんし・・・。
スピードコントロールを失って何度となく自主的に転倒しながら、急な区間の大半を下りました。
そして最後は多少林も疎らになってきたのでシールを剥がして、全開滑りです。踏まれていないところを滑れるときは最高に気持ち良いのですが、
ルート通りに滑らざるを得ないときは半ば決死の覚悟ですね。やはりヤバくなれば自主転倒です。
まとめ
そうして駐車場に帰り着いたのはもう5時に近くなっている頃でした。
今回は温泉以外ではろくに休憩もせずに行って帰ってきてこの時間です。
皆さんも同じコースを行かれるときは8時には歩き始められるようなスケジュールを組むことをお勧めします。
道具としては、はっきり言ってツボ足が一番楽だと思います(念のためスノーシューもあれば安心)。
どうしても滑りたい人にはフリーベンチャーはお勧めです。短いし登坂力も十分だからです。テレマーク化は、
ラッセルのないコースでの歩きやすさの面では大いにプラスですが、滑りの面では人それぞれと思います。
狭いコースでのスピードコントロールの面ではむしろマイナスだと思います。また当初付いていた「登りモード」
を失うのでラッセルにも弱くなります(こちらの記事参照)。また、
別コースで本沢温泉のメインルートを利用すれば、勾配も均されてスキーシューでも行けるのではないかと思います。
日帰りではちょっとハードなコースですが、とても満足感の大きなコースです。あれ!あれ!
に泊まってこのコースを行くには、朝食抜きで対応させていただきますので、十分守備範囲内になりますよ。
posted by まさや at 11:14| 長野

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スノートレッキング・テレマーク